2009の注目記事 Feed

2009年12月30日 (水)

2009年のブログ

 早いもので、もうブログ開設5周年です。振り返ってみますと、ウェブ上のはやりはブログ→ミクシィ→pixivやtwitterと移りましたが、雑誌形態の好きな私にはブログが一番合うようです。
 それでは以下、今年の人気記事の紹介です。

●レベルデザイナーって何だ
 その1(2/11) その2(2/15)
 書いたときのアクセスはそれほど多くなかったのですが、今でもコンスタントに検索されている記事です。海外のゲーム開発を語る上では欠かせないキーワードなのですが、最近は国内のゲーム情報や求人にもこの言葉が出てくるようになりましたね。

●海腹川背、発売延期の裏は真っ黒
 ゲーム界一の薄幸少女 -海腹川背・旬 DS- 3/14
 続・ゲーム界一の薄幸少女 -海腹川背・旬 DS- 3/26
 続続・ゲーム界一の薄幸少女 -海腹川背・旬 DS- 5/4
 怪文書を通じて、末端でのゲーム開発の事情が暴露された事件でした。〈続続〉は、1日あたり最多のアクセスを記録。最終的に、ゲームが良い出来で発売されたのが救いと言えば救いです。

360版「怒首領蜂」がブラック企業の移植で大往生 6/20
 開発費を下げるためなら何をしてもいいという、不況下でのモラルハザードが明らかになった事件。こんな話題に、こだわりのタイトルが巻き込まれているのが腹立たしい。死ぬがよい。

●「ディシプリン*帝国の誕生」獄中記
 宣伝の迷走(8/20) その1(8/26) その2(9/3) その3(9/5) その4(9/13)
 今年、このブログで一番注目されたゲームがこれですか(笑) 800円と数時間のコストで、この奇跡的な一本に立ち会えたのは素晴らしい幸運でした。

「ディシプリン*帝国の誕生」の飯田和敏、学生にキレて講義を無期限中止 11/16
 同じ講師としては、こういうことができるって、うらやましくもありますよね。学生や学校の機嫌をとらなくてもいい、という立場なわけですから。雇われ者はつらい。

 来年も、せめてブログでは威勢の良いことを書き散らしていたいものです。それでは皆さん、よいお年を!

2009年11月16日 (月)

「ディシプリン*帝国の誕生」の飯田和敏、学生にキレて講義を無期限中止

東京工芸大学講師でゲームクリエイターの飯田和敏氏がボイコット!「このクラスではもう授業出来ない」
教壇と勉強机は地続きだった。びっくりした?

 はじめの感想は「よくあること」だった。クリエイターの多くは、後進を育てることに興味を持っている。だから、学校から講師の依頼があると、けっこう簡単に引き受けてしまう。
 ところが、いざ学生を前にして愕然とする。あまりに低いレベル。特に、作ることへの意識の低さ。業界裏話には耳を傾けるが、制作のノウハウには全く興味がない。そんな学生が、珍獣でも眺めるような様子で、口を開けて並んでいる。悪夢だ。
 こうして、現役クリエイターは短期間で教育の現場を去っていく。
 大して選抜もされていない学生を、専門職の卵にまで育てるには、並々ならぬ根気と教える技術が必要だ。

 今回も、いつものそういう話題だと思っていた。ところが、よく読んでみると、飯田氏は8年もこの大学で教えているというではないか。これは講師としてもプロと言って差し支えなかろう。学生のレベルなども充分に把握しているはずだ。

「目の前に人間がいるってことがわからないみたい。動画として鑑賞されているような距離感。つらい」

この言葉に溢れる悲壮感。投げかけた話を受け取る者がいない状況を的確に表現している。だがこの無関心は、恐らく悪意から来てはいない。
 話していることを聞かない、というスキルに関しては今の若者は卓越している。これは皮肉でも何でもない。彼らはそうすることで身を処してきた。テレビをつければ映像があふれ出し、携帯電話でメールが行き交い、インターネットは情報の洪水だ。そんな環境で、いちいち物事をわが事のように受け止めていては、精神がパンクしてしまう。情報を受け流して関心を持たないこと、これは今の時代に生き残る方法なのだ。

 私は、寝ている学生を注意しない。やたら小言を言って、機嫌良く授業を聞いてくれている者の気分を害するのはもったいないからだ。その代わり、寝ている分の説明をフォローするような親切もしないので、結果は提出物の出来の差となって現れる。まさに自己責任である。飯田氏も、出席など取るのをやめて、レポートや課題という形で、結果を求めれば良かったのではないか。大学なら、そういう形が可能なはずである。

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2009年8月26日 (水)

「ディシプリン*帝国の誕生」獄中記 その1

 「ドラクエ」も「モンハン」も軽々とスルーし、陰々滅々とどうかしている監獄ゲームを買ってしまうとは、奇ゲーハンターたるこの俺様の業の深さよ。書架の花輪和一コレクションを読み直し、心理的な準備も万端。
 Wiiware「ディシプリン*帝国の誕生」、ついに配信執行。

 とりあえず、一人目をクリア(とでも言えばいいのか)するまで進めてみた。
 事前の情報に騙されてはいけない。これは極めて常識的なゲームだ。
 まずメインとなるのが、パラメーターに気を配りつつ進めるシミュレーションパート。過去のペット育成ゲームなどとほとんど変わらない。ただ、状況と方法が狂っているだけで
 合間に、料理やマッサージなどのミニゲームが入るのも、よくあるシステムだ。ちょっと見た目がどうかしているだけで
 会話とわずかな選択肢でシナリオが進む、なんてのは平凡なゲームの最たるものだろう。少しばかり内容が気持ち悪いだけで

 そんなわけで、このゲームは極めてトラディショナルかつオーソドックスなものなので、普通にプレイできるのだが、なぜ作り手がまともにプロモーションしないのか不思議だ。忍さんのインタビューにだけ、正常に対応しているので、ぜひ一読してほしい。

2009年6月20日 (土)

360版「怒首領蜂」がブラック企業の移植で大往生

死ぬがよい。

 「怒首領蜂大往生」は、ケイブが開発したアーケードゲーム。弾幕シューティングの極みとも言える高難度で話題になった。「ブラックレーベル」は、そのバージョンアップ版である。

Ddpdoj 2003年、PS2版「大往生」が発売された。移植を担当したアリカは、この一本によってゲーム史に残ったと言っていい。
 忠実な移植のために、アーケード版のトッププレイヤーをテストプレーに起用。さらに、神プレイを録画したDVDを付録として付けている。
 何より驚くのが、練習用の機能の充実。〈シミュレーションモード〉を活用すると、開始ステージ、残機数、残ボム数を自在に変更でき、あらゆる状況設定で特定ステージを練習できてしまう。プレイを録画し、再生の途中から自分でプレイできる、という機能には感心を通り越してあきれてしまった。ここまでやるのか、と。
 これらを活用すると、「大往生」の仕様のすべてを知り尽くすことが出来、攻略に役立つのは無論のこと、シューティングゲームを作ろうとする者にとっては最高の教材となり得る。まさしく〈シューティングゲーマー養成ギプス〉である。
 ケイブ、アリカ両方のゲームへのこだわりに、頭が下がる思いだ。

 ああ、それなのに。

 2009年、X-BOX360で発売された「怒首領蜂大往生ブラックレーベルEXTRA」は、2月の発売当時から不具合が指摘され、翌月には出荷が取りやめとなり、そして先日、発売元から驚きの〈お詫び〉文が発表されるにいたった。

5pb「弊社販売ゲームソフトに関するお詫び」
詳しい経緯「はちま起稿」

 ゲーム開発のモラルが、ここまで損なわれてしまったとは。移植担当もひどいが、充分な期間や予算を与えなかったのだとしたら、販売側もまたひどい。(ついこの前まで、「海腹川背DS」の会社と同じグループだった企業だけに、よけいそう思う)
 名作を辱めた罪は、万死に値する。
死ぬがよい。

2009年3月14日 (土)

ゲーム界一の薄幸少女 -海腹川背・旬 DS-

 「海腹川背」の主人公こそは、今、ゲームの世界で最も幸薄い少女である。

Umiharak 「海腹川背」は、スーパーファミコンの末期に発売されたアクションゲーム。リュックを背負った女の子が主人公、というかわいい見た目とは裏腹に、ゴム紐のごとき複雑な挙動をするワイヤーを操ってステージを進むという、難解かつマニアックな内容で、私も買ったのだが、とてもクリアできなかった。

 PSで続編「海腹川背・旬」が出たっきり音沙汰のなかったこのタイトル、昨年PSP移植版が発売され、そのひどすぎる出来がファンの怒りを買ったことは記憶に新しい。レトロゲームとなめてかかったら、ゴム紐が思いの外高度なプログラムで再現できなかったということらしい。実力のない開発に投げられた悲しみを一身に背負い、主人公はさびしく揺れていた。

 そして今年。〈完全版〉と銘打った「海腹川背」が今度はDSで発表された。販売・開発ともPSP版の時とは異なる会社が担当しており、体験会で公開された試作版の内容も良く、ファンは今度こそ、の期待で見守った。

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2009年2月11日 (水)

レベルデザイナーって何だ その1

「スクリプト」で差がついた日米ゲーム開発の生産性
 発端となったのはこの記事。これに対し、以下のような異論が書かれた。

日米ゲーム開発の差はスクリプトの所為なんかじゃぁないよ。「島国大和のド畜生」
スクリプトが日米の差じゃないよへの反応に関して
レベルデザインの誤解 その1 「ヨコオタロウの日記」
レベルデザインの誤解 その2

 自分の頭を整理するため、以下を書く。間違いがあったらコメント欄で指摘いただけるとありがたい。

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