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2009年2月15日 (日)

レベルデザイナーって何だ その2

レベルデザインの誤解 その3
レベルデザインの誤解 完結
 と言うわけで、ヨコオタロウさんのところでは、すでにケリがついているのだが、テンポの遅いこちらではもう少し続くんじゃ。

 まず、新清士氏による元記事を乱暴にまとめると、

・(前説)GDCで昨年受賞したゲームは、洋ゲーばかりになった
・洋ゲーの強みは、レベルデザイナーの生産性の高さ
・汎用スクリプト言語をカスタマイズしたレベルデザインツールが使われている
・日本のプランナーはプログラム知識が乏しい人が多くて、ツールが導入しにくい状況

 だいたいこんな感じか。
 そもそも「スクリプト」という用語にこだわったのがまずいような。こうして流れを見てみると、優れたツールとその専従者がゲーム開発に貢献した、という趣旨であって、スクリプトなんてそのための一手段でしかない。
 エロゲーなんて、昔から全部スクリプトでしょ。でもこの文で言いたいのは、そういうことじゃないはずで。

●ツールを作ってペイするほど、日本のメーカーは専門化してない
 まず、なぜ海外で優れたツールが作られるのか、というと、裏を返せばそれだけ似たタイプのゲームが多い、ということ。2008年の受賞タイトルは、「Fallout 3」に「グランドセフトオート4」に「リトルビッグプラネット」。全部、3Dでアクション性があって物理計算とか使うやつだ。(レベルデザイン体験ソフトである「リトルビッグプラネット」がこの中に入っているのはなんとも示唆的)
 このタイプのゲームが海外市場を席巻しているのは事実だが、一方日本国内では、DSやPSPといった低性能のハードで、2D表現や非アクションのゲームがたくさんある。そこで、そういうのを小さなデベロッパーに全部投げて、海外で通用する大作アクションのみに注力すると、洋ゲーの会社と同じ土俵に立てる。この姿勢に一番近いところにいるのは、MTフレームワークなるツールを開発して使用しているカプコンと思われるが、それでも、PSPモンハンやDSロックマンは切れるわけがない。これは当然のことであって、似たタイプのゲームしか作れないのであれば、その流れが変わったときに対応できない危険があり、多少効率を犠牲にしてでも、色々なゲームを作っておく必要があるのだ。

●レベルデザイナーより先にマネージャー職が必要
 ツールが導入できない原因を、プランナーの不勉強に帰するようにもとれる元記事の文章。それはちょっと失礼なんじゃないか。日本のプランナーは、なんでも屋。企画したりデータ作ったりマネージャーをやったりと、色々な仕事をしている。ツール専従でいいのなら、使い方をマスターしてくれるプランナーはいくらでも出てくると思う。
 欧米では、各職種の間をとりもつマネージャーが確立しており、細分化した専門職のスタッフにきめ細かく対応し、調整をはかるのだという。レベルデザインの仕事は、形の上ではツールを操ってマップを作るだけだが、それは、ゲーム企画・画面演出・背景デザイン・プログラムなどの様々な仕事が反映されたもので、他のスタッフとの緊密な連携が不可欠だ。従って、レベルデザイナーが職種として成立するためには、環境作り、つまり欧米並みの組織作りが先となる。これは、結論から言うと、大きな会社の予算の潤沢な大規模プロジェクトに限って可能となり、日本では限られたメーカーの限られたチームのみとなる。
 これは、ハリウッドが映画を世界で売るのに確立したビジネススタイルに近い。ただ、こういう組織での成功を日本の開発者が希望するかどうか、というところもやや疑問だ。小さなプロジェクトで全体が見渡せる規模の仕事をやりたい、という人も多いのではないだろうか。ユーザーとしても、世界一売れるゲーム、よりも、世界一面白いゲーム、の方を望みたい。

 などと書きつつ、GDCの講演の聴衆が、〈ゲームで儲けたい人〉と想定すると、元記事はこの内容でバッチリであることに気が付いた。そういうことか。

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