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2009年6月

2009年6月30日 (火)

夢の草原を駆け抜けろ 「Flowery」

 これはゲームではない。一編の詩だ。

Flowery

 夢で見たような草原を、花を咲かせて回る。内容といえばそれだけだ。
 敵もいなければ、時間制限もなく、得点もない。そもそも画面上にプレイヤーすら存在しない。風になってたゆたうだけの、至福の空間。
 だが、ただの癒しなんて30分もすれば飽きる。ステージを進めていくと、徐々に姿を見せ始めるメッセージに、プレイヤーは引き込まれる。それも、一文字も使わず、肌で感じさせていく。最後に待ち受けるのは、驚きか、喜びか、感動か。自分でもよく分からない。

 ああ、これは、詩だ。

 草花のようにひっそりと、ゲーム機が詩を奏で始めた。

 「Flowery」(フラアリー)は、PS3用ダウンロード専売ソフト。800円で総プレイ時間は3時間程度。
 公式サイト

2009年6月28日 (日)

11年ぶりの続編 「西遊妖猿伝 西域篇」

Youenden1 快挙である。
 前作「河西回廊篇」で、玄奘が砂漠に一歩を踏み出したところで連載が終わってから11年、「西域篇」がついに単行本になった。
 諸星大二郎には、短編の連作が多く、「西遊妖猿伝」は貴重な長編作品である。第一部「大唐篇」が連載開始したのは1983年のこと。この頃は陰鬱で重厚な趣があったように思うのだが、「西域篇」では舞台が砂漠のせいか、あるいは八戒や講釈師がはっちゃけているせいか、ずいぶんからっと軽くなったような気がする。
 もともと流行に一切関係ないところで描き続けてきた作者ゆえ、筆致に全く衰えがない、それどころか「河西回廊」の頃より面白くなっている気がするのが嬉しいような恐ろしいような。
 〈西遊記〉を元にした作品はいくつもあるが、沙悟浄が加わるまでに25年かかったなんてのは、これだけだ。ようやく揃った旅の仲間が天竺に着くのはいつになるだろう。

2009年6月27日 (土)

VCAで登頂 「ドルアーガの塔」

 祝、60階登頂達成!
Druaga60
 ドルアーガはやはり手強かった。アーケードだったら、コンティニューで何万円かかっていたことか。ちなみに、コンティニューは、クレジット投入後、剣ボタンを押しながらスタートボタン、で可能。〈ドルアーガ コンティニュー〉で検索してくる人が後を絶たないので、ここにメモしておく。

 59階に着いてからが大変だった。ウィザードの対処に苦しみ、幾度となくゲームオーバー。アーマーを装備しているので、呪文を一回うけても死なないが、しっかり体力値は減っているので実質クリア不可能。どうにかドルアーガを出現させても、初めのうちはどう近づいたらいいのかさえ分からず。慎重になると、今度は制限時間が厳しい。
 何十回とプレイするうちに、徐々にドルアーガと会える確率が上がってくるが、対戦するなり即死が続く。何かおかしい、ということで攻略サイトを調べると、宝が足りないらしいことが発覚。特にタチが悪いのが途中何度か出る天秤で、一見持ち物がそろっていても、これ抜きだと能力を発揮していない状態なのだとか。遡って宝箱を取り直すこと二度、それでも、ドルアーガと斬り結ぶまでは、本当に必要なものがそろったのかはわからないという、信じがたいシビアさ。これ本当に1コインクリアとかあるのか。
 さらに何十回かプレイ。運良く、ドルアーガの出現位置が島状に孤立した部分に当たり、動きがループに。ここぞと待ち伏せで切り伏せる。60階、慎重にロッドを出現させ、ようやくエンディングだ。

 初プレイから25年後の到達に感無量。再挑戦の機会をくれたVCAに大きな感謝を。

2009年6月26日 (金)

任天堂はプレゼン上手 「WiiSports Resort」

 「WiiSports Resort」を購入。続編としてスキのない作り、さすがである。

Wii_spo_rez これを買ったユーザーは、まず何を見たいだろうか。やはり、前作とどう変わったか、ということだろう。同梱の〈Wii Motion+〉の効果はいかほどのものか試してみたい、と興味津々の、私みたいなユーザーも少なくないはずである。
 さすが任天堂、真っ先にそれに答えてくれる。
 初の起動時、しばらくMotion+の付け方ムービーが流れた後、オープニングが開始。どうやら、スカイダイビングで舞台の島に降りるらしい。おや、このスカイダイビング、操作できるじゃないか。おお、反応が細かいぞ、これがMotion+の効果か! と、タイトルが出るまでに新しい操作性をアピールしてくる。
 そして、種目選択画面を見ると、一番目がチャンバラになっていて、リモコンのパワーアップをすぐに実感できる、という仕組み。いやはや、まことにプレゼン上手である。
 いくつかの種目をつまみ食いしていたら、いつの間にか、選択画面に「一番人気」とか「おすすめ」とか表示されているのに気が付いた。これ、ひょっとしてネットで情報を送っているのでは…? どこまでもサービスの良いゲームだ。

 種目が多いだけでなく、楽しみ方の幅が広いのが素晴らしい。一人で遊覧飛行も良し、みんなで対戦も良し。お得感たっぷりのリゾートへ、みなさんもぜひどうぞ。

2009年6月21日 (日)

トランスフォーマー

 続編が公開されたのを機に、前作が地上波で放映されたのを観た。

 アメリカ人はどこまでもアメリカ人だった。

 ロボットとは、兵器であり力の象徴。しかしながら、日本ではロボットはアニメやオモチャとして親しむもの。アニメでは、博士や研究所といったSF的な支えが欠かせず、オモチャでは、変形や可動の技術が競われる。

 それがまあ、この映画では、緊迫した現代戦と、学園もの、しかもアメ車と美女という「デス・レース」ばりのボンクラストーリーが併走するという、ハリウッド製幕の内弁当とでもいうべき展開。中程でロボ達が自己紹介してくれるまで、何の映画を観ているのかわからなくなることがしばしばだった。一方、もともと「トランスフォーマー」を知っている観客にとっては、展開が遅すぎると感じたとしても不思議ではない。

 CGで描かれた変形がウリなのだそうだ。確かにすごいのだが、日本人向けではない。もっとじっくりと、どこがどう動いて変形するのか見たい、見せたいというのが大和ロボ魂というものである。技術と屁理屈のハッタリを見せてくれ。なんだかよく分からない機械がぐじゃっと動くのでは、美しくないし、悪役っぽい。中身がターミネーターみたいな感じだから、ますますそう見えるのかも知れない。

 公開中の続編では、よけいな前説もいらないから、見やすくなっているのかもしれないな。

内部分裂度 8
ボンクラ度 9
主役地味度 10
個人的総合 6

2009年6月20日 (土)

360版「怒首領蜂」がブラック企業の移植で大往生

死ぬがよい。

 「怒首領蜂大往生」は、ケイブが開発したアーケードゲーム。弾幕シューティングの極みとも言える高難度で話題になった。「ブラックレーベル」は、そのバージョンアップ版である。

Ddpdoj 2003年、PS2版「大往生」が発売された。移植を担当したアリカは、この一本によってゲーム史に残ったと言っていい。
 忠実な移植のために、アーケード版のトッププレイヤーをテストプレーに起用。さらに、神プレイを録画したDVDを付録として付けている。
 何より驚くのが、練習用の機能の充実。〈シミュレーションモード〉を活用すると、開始ステージ、残機数、残ボム数を自在に変更でき、あらゆる状況設定で特定ステージを練習できてしまう。プレイを録画し、再生の途中から自分でプレイできる、という機能には感心を通り越してあきれてしまった。ここまでやるのか、と。
 これらを活用すると、「大往生」の仕様のすべてを知り尽くすことが出来、攻略に役立つのは無論のこと、シューティングゲームを作ろうとする者にとっては最高の教材となり得る。まさしく〈シューティングゲーマー養成ギプス〉である。
 ケイブ、アリカ両方のゲームへのこだわりに、頭が下がる思いだ。

 ああ、それなのに。

 2009年、X-BOX360で発売された「怒首領蜂大往生ブラックレーベルEXTRA」は、2月の発売当時から不具合が指摘され、翌月には出荷が取りやめとなり、そして先日、発売元から驚きの〈お詫び〉文が発表されるにいたった。

5pb「弊社販売ゲームソフトに関するお詫び」
詳しい経緯「はちま起稿」

 ゲーム開発のモラルが、ここまで損なわれてしまったとは。移植担当もひどいが、充分な期間や予算を与えなかったのだとしたら、販売側もまたひどい。(ついこの前まで、「海腹川背DS」の会社と同じグループだった企業だけに、よけいそう思う)
 名作を辱めた罪は、万死に値する。
死ぬがよい。

2009年6月19日 (金)

マーベラスの〈魂の叫び〉に思うこと

 マーベラスのプロデューサーが書いたブログ記事が、各所で話題になっています。

「王様物語」クリエイターズBLOG

 「ゲームを作っても売れない」という嘆きは、関係者にとっては飲みの席での定番とも言える話題です。しかしながら、マーベラスほどの知名度のあるパブリッシャーの、しかもプロデューサーが、公式サイトという場でこういう発言に至った、というのは「ぶっちゃけた」では済まされぬ深刻なものを感じます。

ノーモアヒーローズ、わくわくアニマルマーチ、ルーンファクトリーF、朧村正、アークライズファンタジア、

 売れなかったとされる、これらのタイトルですが、PS2の頃であれば、国内10万本程度は売れても不思議はないラインナップだと思います。しかし今は売れない。なぜなのでしょう。

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2009年6月14日 (日)

「MR.BRAIN」は下品なドラマ

 キムタク主演、毎週豪華ゲストの出演で視聴率を稼いでいるらしいこのドラマ、最終回を待たずにダメな雰囲気がプンプンである。

 制作者はまず、誰に何を届けたいドラマなのか考えた方がいい。
 予算をつぎ込んだ研究所のセットや、SF的な機器やCGの数々、脳科学をかみ砕いたウンチクなどは、青少年男子の興味を引き、8時代の番組にはピッタリである。ところが、扱われる事件は一転して凄惨であり、他のドラマに比べても猟奇的描写が激しく、深夜帯のマニア向けドラマのようだ。主題歌はヴァン・ヘイレンの名曲だが、これに反応するのは40歳以上のオッサンだけであり、とってつけたような使われ方で本編に全くなじんでいない。がちゃがちゃ切りかわるカメラワークがやかましく、無意味に目が疲れる。
 要は色々な視聴者に目や耳から強い刺激を与えたいものと思われるが、表面的なギミックに終始し内容が伴っていないため、ドラマを楽しみたい者の心におよそ触れてこない。
 キムタクは、ドラマで主演すれば美容師やレーサーやパイロットや検事になりたい人が増える、という冗談が言われるほどの影響力のある俳優である。ところが今回の脳科学者は、内面がほとんど書かれないため、その活躍に関わらず、いまだに共感できない変人にとどまっている。脇役の人間性についても、とんと無頓着な脚本であり、いまのところいいキャラは、香川照之演じる丹原刑事くらいだ。
 昨日放送の回では、解決編を次回に持ち越した上に、予告編で(今回は影も形も出なかった)仲間由紀恵が血みどろになってみせるという、あざとい視聴率稼ぎの姿勢が見られ、下品な商品ドラマという印象を強めた。
 脳という人間性の本質に関わるモチーフを扱いながら、これほどまでこけおどしの内容に終始するとは予想しなかった。同じ事件ものながら、超常現象から出発して人間性に着地する「キイナ」の方が、よほど真摯なドラマだったと思われる。

 キムタクは、そのレーザーポインタで、制作スタッフの脳を照射してみるといい。きっと何かが足りないから。

2009年6月 8日 (月)

会心のシームレス感覚 「アンチャーテッド」

 続編の「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」が発表され話題になっている中、前作「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」をプレイ中。

Unc 見れば見るほど良くできている。
 遺跡探索+銃撃戦という、前世代機からあるオーソドックスな内容。それを突き詰めて、快適にプレイできるゲームにしている。
 まず驚くのが完璧にシームレスなシステム。ステージ移動はもちろんのこと、探索パートと銃撃戦の間にも、ロード時間による中断が発生しない。
 アクションパート中にキャラがしゃべり出すのは、「プリンスオブペルシャ 時間の砂」でもやっていたが、そのままいつの間にかデモシーンに入り、気が付いたらまたゲームが始まっている、というスムーズさ。デモが終わったことに気づかず、棒立ちしてしまって敵に撃たれる、ということさえあった。
 動作の作り込みも素晴らしい。過去のアクションゲームでは、別のモーションに移るときに動きが飛ぶことがよくあった。アンチャーテッドでは、どう補完されているのかわからないが、動作間がなめらかにつながり、一体感のある操作性を実現している。これがシームレスなデモシーンと合わさると、潜水艦内ステージのように、かがんで、隔壁を開けながら、低い天井に手をつき、前進する、というような動作をスティックを倒すだけでなめらかに行えることになる。

 静止状態の絵がきれい、などと言ってもそれはハリボテに過ぎない。プレイした動きがきれい、を実現した「アンチャーテッド」は、PS3でのアクションゲームの新しい基準を示した一本と言えるだろう。

2009年6月 2日 (火)

E3で発表 -Project Natal(仮)-

 アメリカでは、今年もE3が開催中。先頭切って講演したマイクロソフトがいきなりすげぇ。対応機種はもちろんX-BOX360だ。

E3 09: マイクロソフト、噂のモーションカメラ『Project Natal(仮)』を発表
対応ソフト第一弾? 『Milo』

 SFだ~!!
 現行機でこれやっちゃうの? まじで? 360はPS3と競合していくもんだと勝手に思っていたけど、リモコンすら不要とは、Wiiが昔のハードに見える恐ろしい技術だ。まあ、本当に操作性がいいのかどうかは、まだわからないんだけどね。

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