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2011年9月

2011年9月30日 (金)

コクリコ坂から その2

 この映画は、文化系クラブ出身の私にとって、次から次へと自分のルーツを思い出させてくれる恐るべき映画だ。

 そもそも、「コクリコ坂から」の時代に高校生だった人は、現在では65歳くらいになっているはずで、私よりも丸々一世代上となる。ところが、私が観てもなつかしいのだから困ってしまう。
 まず、カルチェラタン。私が中学くらいまでは、まだ木造の校舎が残っていた。あんなすごい建物はなかったが、私が在籍した学校のクラブ棟も、確かにあんな雰囲気だった。
 作中の学校新聞の原稿はガリ版で刷られていた。学校が古かったせいか、私は小学生のとき、この印刷を体験している。
 高尚な学問を志し、どこか背伸びした感じのある学生たちもなつかしい。今の若い人が観ると、集会のシーンなど、セリフに違和感を感じるのかも知れないが、ああいう学生は確かにいた。哲学部の学生なんかは特にリアルだった。ディオゲネスか。大学で後藤明生先生が、ホームレスを「大阪のディオゲネス」と称していたのを思い出す。

 細かなガジェットが、忘れていたものを思い出させ、私自身の出自が明かされていくかのような錯覚を味わった。本筋以外の所で、得難い経験をさせてくれた映画である。

2011年9月28日 (水)

新作〈ゼルダの伝説 スカイウォードソード〉は、Wiiモーションプラス専用!

任天堂公式

 海ゼルダ、影ゼルダと来て、新作は空ゼルダ。「ドラクエX」までの間をつなぐような売り方をするのかと思ったのですが、予想外に早い年内の発売が発表されました。
 公式サイトでは、さっそくムービーやスクリーンショットが公開されています。

Zdsws1

 おや? この鳥は…

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2011年9月24日 (土)

クリエイター必読「神話を紡ぐ」 ICO/ワンダ Limited Box

 待望の「ICO/ワンダと巨像 Limited Box」を入手。

 ゲームは後でゆっくりプレイすることにして、まずは特典本「神話を紡ぐ」に目を通す。
 これは意外。クリエイター上田文人をあらゆる角度から取材した本だった。
 ゲームの特典本というと、キャラクターやらストーリーやら、ゲーム内外に設定を広げたものが多い。しかし、「ICO」や「ワンダ」の場合はそれらをプレイヤーの想像に委ねたところに妙味があり、余計な設定の公開は無粋というもの。そこで、「神話を紡ぐ」は、作り手にクローズアップした異例の特典となった。
 充実したインタビュー記事の他、コンセプトのスケッチ、仕様書、絵コンテ、資料などが公開され、まさにクリエイター必読の内容となっている。

楽しんで作ったものだけが良いエンタテインメントになるという発想は、僕にはありません。生みの苦しみをくぐり抜けたものが、良い作品になるんです。

僕が手数をかけても作りたいのは、部屋を暗くして”ゲームをやるぞ”と構えて、その世界に没入させるようなものなんです。手間や時間を割いてでもやりたい、そう思ってもらえるものを発信したい。

 最近の、萎縮したゲームの制作環境にあって、上田文人の発言は実に頼もしく、胸が空く思いがする。私は、「トリコ」の開発が長引いて心配している一人だが、無用の心配に終わりそうだ。
 ゲームのファンにとっては、折り込みの上田文人書き下ろしイラストが必見だ。一見、ラフに描いた簡単な絵だが、よく見ると、それぞれゲームのエンディングのその後を描いていることに気付く。数年越しの素晴らしいプレゼントだ。

 Ico01 さて、「ICO/ワンダと巨像 Limited Box」 を買うにあたり、気になっていたのが各ゲームの説明書。
 PS2版では、それぞれ大変に凝った編集がされていた。「ICO」では、絵本のような物語の体裁の中にゲームの操作と攻略が埋め込まれており、「ワンダ」では、各ページを巧みに切り落とすことで、独特な見開きの効果を出していた。
 今回、HDリマスターとは言え、一種の廉価版のようなものであるし、説明書が普通のものに変えられてしまうのでは、という危惧があったのだ。
 しかし、説明書は以前のものが忠実に再現されていた。これなら、新規のユーザーも納得であろう。

 パッケージ裏にBluePoint gamesの名を発見。移植を担当したのはこの会社らしい。同社は「GOD of WAR」のリマスターも手がけており、良くできていたので今回も期待できる。

 いや~、手抜きのない商品というのは本当にありがたい。

2011年9月19日 (月)

3Dome no Syojiki「ゼルダの伝説 時のオカリナ」その2

 GC版であきらめた地点をめでたく通過し、水の神殿まで到達。
 「時オカ」最大の難関と、噂だけは聞いていたので、おっかなびっくりの攻略となったが、手順が長いだけで、難しさはそれほどでもなく助かった。

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 実は、3DS版では難易度が下がっていると判明。(画像は都合により海外版のもの)
 鍵となる、水位を上げ下げする装置への道筋が、色を塗って見えるようにしてある。(なんだか、東京の地下鉄の道案内みたいだね) しかも、3DSでは下画面のマップと見比べられるのが便利で、元のゲームより遊びやすく、謎ときに集中できる。こりゃいいや。

 ここまでプレイしただけでも、ボリュームの大きさ、パズル性の密度の高さに感心する。今度こそエンディングを見られそうで楽しみだ。

2011年9月17日 (土)

コレクター必携のアイテム 「ドラゴンクエストI・II・III」

 「ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」(タイトル長すぎ)を購入した。

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 コレクターアイテムとはまさにこのこと。特典が予想以上の充実ぶり。

●実物大〈小さなメダル〉
 メダルだけ入っているのかと思ったら、専用の小袋までついている。まさしく勇者の小銭入れだ。

●復刻版「ファミコン神拳」
 ファミコン版当時の、ジャンプの攻略記事がそのまま復刻。当時は読んだことがなかったので初見となるが、見れば見るほど面白い。何しろ、

ドラゴンクエストはアクションゲームじゃない! だからアセってボタンをおすことはないんだぜっ!

なんて書いてある。プレイヤーがRPGを知らない時代。武器を買って装備したり、コマンドで戦うことそのものが新しかった頃の、楽しい空気が伝わってくる。素晴らしい、ゲームよりこれ目当てで買うべきだな。

●資料
 ソフトには、資料コーナーがあり、画像で見ることができる。
 パッケージをわざわざ立体で再現してあり、ひっくり返して見るなんていうサービスも。
 中でも、「ドラクエI」の企画書、仕様書が貴重。手書きということもあり、当時の作り手の意志までが伝わってくるかのよう。ゲーム導入部の素晴らしさは、偶然ではなく、計算された設定によるものだったことがわかる。

 これほど充実した内容が楽しめるのであれば、「ドラクエX」の特典映像が動画サイトに流出したなどと聞いても、まったく動揺することはない。よい買い物であった。

2011年9月15日 (木)

田中圭一のつぶやきがもはやテロリズム

 またまた、当ブログに、googleで「田中圭一」を検索してたどりつく方が急増しています。しかも、「田中圭一 ローソン」というキーワードが出てきているではないですか。マイナー漫画家の先生も、ついにコンビニとタイアップするような仕事を始めたのでしょうか。

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2011年9月14日 (水)

攻勢に転じよ! ニンテンドー3DSカンファレンス

 昨日、ニンテンドー3DSカンファレンスが開かれた。
 ハードの勢いがイマイチな中、どのようなてこ入れが行われるのか、と興味を持って見ていたが、これはすごい。まさしく攻勢に転じた感じだ。しかも、奇策をこうじるのではなく、正面から攻めている。つまり、ソフトの充実である。
 目をひくものはたくさんあるが、ここでは、個人的に2本のソフトをプッシュしておく。

カルチョビット
 ゲームボーイアドバンスの末期に発売されたゲームが、まさかの復活。知名度も全くなく、このカンファレンスで紹介された事自体が奇跡だ。
 本作は、「ベストプレープロ野球」や「ダービースタリオン」を手がけた薗部博之の新作。内容は、プロサッカーチーム育成シミュレーションである。しかし、「サカつく」シリーズとは、全く違う。ソーシャルゲーム並のお手軽プレイで、サッカーの試合の機微が味わえるという、とてつもない傑作なのである。

カルドセプト
 危険なゲームだ。モノポリーとカードゲームを足したようなルールで、シリーズを通して練り上げられたマニアックな逸品。オンライン対戦も鬼アツだが、コンピューター戦も良くできていて面白い。ひとたび勝負を始めると数時間は拘束され(セーブはできるんだけど、気になって中断できないのです)、廃人化必至のキラータイトル。
 過去には、外注が無能でクソゲー化したこともあったが、今回は任天堂販売なのでますます品質に期待できる。

 いや~、3DSはゲームの種類が少ないと思っていたけど、これからは選ぶのが大変になりそうだ。
 もちろん、ソニーもこれを静観しているわけがない。これから出てくる、vitaとのラインナップの違いに注目だ。

2011年9月 7日 (水)

モンスターハンター3Gの拡張スライドパッドにも慌てるな

 3DSで「モンスターハンター3(トライ)G」が発表になった。しかも年内発売と電光石火である。
 その驚きを上回るのが、専用拡張スライドパッドの情報。3DSに右スティックを増設させるという力業だ。

 いやはや、カプコンのドヤ顔が目に浮かぶ。
 キラーコンテンツを売るときのこの会社の強引さは、今に始まったことではない

 (以下の内容は、個人の憶測を含んでいますので、あまり本気にせずに見てください)

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2011年9月 5日 (月)

ドラゴンクエストXのオンライン化に慌てるな

「ドラゴンクエストX」準備サイト

 ついに姿を現した「ドラクエX」。本日発表会が行われ、オンラインゲームであることが明らかになった。
 古典的なシステムを守り通してきたシリーズだけに、この方向転換には私も驚いた。さっそく、従来のファンからは、失望する声、不安視する声が上がっているようだ。
 こういうときは、慌てずしっかり情報を見るに限る。
 どうやら、「FFオンライン」のようなゲームにはならないようだ。スクウェアエニックスの公式サイトを見てみると、「FFXIV」のジャンル名がMMORPGとなっているのに対し、「ドラクエX」はロールプレイング(ネットワーク対応)と表記されている。

忍之閻魔帳:最新作はWii/Wii U対応「ドラゴンクエスト 25周年」発表会速報

・ログアウトしている間に、自分自身を酒場に預けることも可能
 他のプレーヤーが遊んでくれれば、再開時に経験値をもらえる
・3DSにキャラクターを移し替えてすれ違いさせるといった遊びを検討中

 このあたりを読んでみると、従来型のオンライン協力プレイだけでなく、同時接続を必要としない非同期型の遊びを取り入れている模様。現在、MMOタイプのゲームは、長時間の接続を強いる負担の大きい遊び、として敬遠される傾向が強くなっている。一方で、ソーシャルゲームなどで行われている、個々の負担が少なく、ゆるやかなつながりが感じられるタイプの遊びは、今まさに普及が進んでいるところだ。「ドラクエX」が狙うのは、これら質の異なるオンラインの遊びを橋渡しすること、と見ることもでき、だとすればなかなかに野心的なプロジェクトだ。
 詳細の公開を、注目して待ちたい。

2011年9月 4日 (日)

コクリコ坂から その1

 これはめでたい。宮崎吾朗監督がパワーアップしている!

 「コクリコ坂から」の企画に関して、宮崎駿が書いた文が公開されている。チラシ、パンフレット、公式サイトのいずれにも同じものが載っているので、まずそれを見てもらいたい。

「港の見える丘」

 なんとも異様な文章だ。そもそも原作である「コクリコ坂から」を、失敗作と断じている。以降も、創作の主義主張が詰まっていて、何というか、もうどろどろである。この映画をもしも宮崎駿本人が監督していたら、何やら恐ろしいものが出来ていたのではないか、と思わせる。
 しかし、宮崎吾朗が監督したことによって、非常に見やすい映画になった。過剰な主義主張は遠ざけられ、キャラクターはすっきりした輪郭線で書かれ、背景は筆のタッチが残る薄塗りになり、全体にあっさりしている。「ゲド戦記」の時と違って、身の丈にあったスケールでそつなく仕上げており、無用な力みが伝わらないのがいい。
 何より、「港の見える丘」で書かれた

観客が、自分にもそんな青春があったような気がして来たり、自分もそう生きたいとひかれるような映画になるといいと思う。

 という目標については完璧に達成しており、結果を出したと言える。個人的には、ジブリの前作「アリエッティ」は子供向け路線だったので、ジジイ向けの本作の方が評価が上となる。 吾朗監督の三作目に期待したい。

スケール  6
映像美   6
ノスタルジー 9
個人的総合 7

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