« 2014年4月 | メイン | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月31日 (土)

クレイジークライマー狂想曲 その5

 あの名作ゲームが、今の時代に復活! よくある決まり文句だが、「クレイジークライマー」関連作品の場合、その言葉はいつも一作目を指している。忘れてやしませんか、あのゲームを。

Crazy21

 そう、「クレイジークライマー2」である。1988年のアーケードゲームで、正真正銘のナンバリングタイトルだ。
 だが、月日の流れとは残酷なもので、シューティングにアクションにレース、様々な2Dゲームの名作がリリースされたこの頃、孤高のビル登りゲームに目を留めるプレイヤーはあまりに少なかった。本作をゲームセンターで見かける機会は非常に少なく、あってもすぐ撤去されてしまったという印象しかない。
 私の感想としては、これぞ「クレイジークライマー」の進化形であり、奇跡の傑作だ。
 アメリカナイズされたグラフィックで、おじゃまマンからコングまで、すべての絵がパワーアップしている。仕掛けも大掛かりになっており、クレーンやジェットコースターや空軍機までもが登頂を阻止しようと待ち構えている。このバカバカしいインパクトは、なかなかお目にかかれるものではない。ただ、残念なことに難易度も本気すぎて、運と実力とコンティニューの財力、すべてがそろわねば全ビル制覇は難しい。

Cclimbr2

 不人気ゆえに知名度もなく、移植版も電波新聞社からX68000で「1」とのカップリングが出たのみ。アーケード版発売当時、「マイコンベーシックマガジン」誌上で、大絶賛の紹介記事が載っていたので、その縁だろうか。

 さて、そのような幻のゲームである「クレイジークライマー2」だが、なんと、アーケードアーカイブスの一本に予定されているのである。それがあまりに嬉しく、ここまで5本の記事を書いた。
 PS4での登場は、2015年1月。楽しみに待ちたい。

2014年5月28日 (水)

「BORDER」警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係

 小栗旬主演の刑事ドラマ。死者の霊と話せる、という設定の時点でB級の匂いがプンプンで、はじめは観るつもりがなかった。だが、裏でやっている「MOZU」が、続きはWOWOWで! となりそうな感じでけったくそ悪いので、BORDERの方を視聴決定。ところがこれが、なかなかの掘り出し物。

#1「発現」
 殺された被害者が、「あれが犯人です」と教えてくれるのだから、主人公の石川は刑事としてはチートである。こんなの推理にもサスペンスにもなりゃしない、と先行きを心配したが…

#2「救出」
 この事件では、殺人犯が自殺し、即、霊として登場。生き残りの被害者を必死で探す石川を、挑発するようにもてあそぶ。

#4「爆破」
 この事件では、犯人は、ホームレスを殺しては、その近辺に爆弾を仕掛ける。変装して周囲に紛れる犯人を、石川は霊との連係プレーで暴き出す。

#5「追憶」
 死体が見つかり、石川はその霊と会う。ところが彼は、霊のくせにすべての記憶を失っていた。宮藤官九郎演じる情けない霊につきまとわれるコメディ回。

#6「苦悩」
 被害者の霊が犯人をはっきり見ておらず、捜査は難航。ついに見つけた犯人は、目の前で投身自殺する。石川はその霊から殺人の動機を聞き出す。

#7「敗北」
 ひき逃げ事件が起こり、被害者の霊の証言から、犯人が大物政治家の息子と判明。しかし、プロの掃除屋まで動員する現世の権力者にはかなわず、高飛びを許してしまう。

 ワンパターンにならず、「死者と話せる」という一つのネタでどこまで色々な話を作れるか、というアイデア勝負になっており、毎回飽きずに楽しめている。最終回がどうなるのかまだわからないが、第2シーズンをぜひ作ってほしい。さらなるアイデアへの挑戦が見てみたい。

2014年5月25日 (日)

クレイジークライマー狂想曲 その4

 PS4、アーケードアーカイブスがついに配信開始された。「クレイジークライマー」の移植度も高いようで、何よりである。

 さて、アーケードでは大ヒットを記録したこのゲーム、どういうわけか以降は苦難の歴史を刻んでいる。その一端をここに記す。

続きを読む »

2014年5月19日 (月)

「美味しんぼ」騒動で言いたい事

 福島に行ったこともなければ、「福島の真実編」を読んでもいない、外野からの放言。

①別のマンガでやれ
 描かれていることが妥当かどうかは、ひとまず置いておく。
 まず、「美味しんぼ」は、料理の薀蓄を楽しむ娯楽作品であり、そんなマンガが急にこんな主張を始めたことに違和感がある。尾田栄一郎が、他のマンガを描かせてもらえないせいで、「ワンピース」の中だけで何でもやろうとしているのは微笑ましいが、今回はそうはいかない。やるのなら「ゴーマニズム宣言」でやれ、と言いたい。
 次に、登場人物が、実在の人物と対話して進めるという、ドキュメンタリーじみた作りが気持ち悪い。水島新司が、自作のキャラと実在野球選手を戦わせて、「やっぱり山田はすごい」と勝手に言わせるのは微笑ましいが、今回はそうはいかない。ちゃんと書き手が出演して「ゴーマニズム宣言」でやれ、と言いたい。

②風評被害と誰が言い切れるか
 描かれていることが妥当かどうかは、ひとまず置いておく。
 福島が安全だなんて、誰も思っちゃいない。東電はミスを隠すばかりで信用できず、政府の発表は無難なものばかりだ。国民が混乱しないように、オリンピックが中止にならないように、手心が加えられているんじゃないか、くらいの邪推は誰でもする。
 だからと言って「美味しんぼ」がアジるのは筋違いだ。漠然とした不安に形が与えられることで、人々は行動する。「風評被害」という言葉は、「根も葉もない噂」に対して言われるように思うが、福島については、どこまでが真実なのかさえわからず、風評に踊らされたのではなく正しい回避行動である可能性が捨てきれない。根拠が乏しかったとしても、こうだと言われてしまえば、そうかもしれない、と思ってしまうのが一般人だ。不安を商売にする悪徳商法と原理は同じだ。
 復興を急ぐあまり、将来にかかわる調査の方がおろそかになってはいないか。「わからない」ことは、様々な憶測を生み出す土壌になる。変なフィルタをかけず、どこまでが安全で、どこからが危険か。何がわかっていて、何がわかっていないのか。人々を信じて判断材料を公開すべきだ。

2014年5月18日 (日)

アナと雪の女王

 これはいい。吹替え版でもう一度観ようか、と思わせる。大ヒットも納得の出来。

【前半の感想】
 極限まで枝葉をそぎ落としたストーリー運びで、総集編になる一歩手前のようなあらすじ感。歌に乗せて、密度の高い映像を楽しむべし、という作品だと理解した。最先端のCG技術に圧倒されっぱなしである。
 まず、雪や氷の多彩な表現。存在感のリアルさ、エフェクトとしての派手さともに満点。氷の魔法なんてのは、これまでゲームの中で何回見たかわからないが、それらがすべて過去のものとして押し流されるクオリティ。これからゲームを作る人は、心せねばなるまい。
 一方、派手な映像の陰で見過ごされがちだが、基本となる人物の動きや感情表現が極めてよく描けている。もっと観ていたい。子供時代短すぎるだろ! と理不尽な文句を言いたくなる。
 ブルーレイが出たら、部分再生やコマ送りで気に入ったところをじっくり見るぞ、という人が続出しそうだ。

(注:以下に結末を含むネタバレあり)

続きを読む »

2014年5月10日 (土)

「銃夢 LastOrder」19巻

 連載開始から24年、「LastOrder」になってからでも14年、ついに最終巻の刊行である。

 Gunmu19舞台劇にはカーテンコールという慣習がある。出演者が勢ぞろいし、観客に挨拶をする。途中で退場してしまう役柄でも、このときばかりは顔を見せる。

 18~19巻は、壮大なカーテンコールだった。物語は、ガリィの足跡を追う形で、なつかしい舞台、なつかしい登場人物を再登場させていく。あらすじのようなスピードで進んでいき、驚くべきことに無印「銃夢」とほぼ同じ内容に、物語は帰結する。
 この間、主人公のはずのガリィが一切登場しない。彼女は、なつかしい顔と再会することなく、新しい舞台へと降り立った。

 連載打ち切り、出版社の変更など、ガリィさながらに数々の試練を乗り越えてきたこの作品。「火星編」が予定通り始まって終われるのかは神のみぞ知るが、果たして連載できる場所があるのだろうか。

2014年5月 7日 (水)

クレイジークライマー狂想曲 その3

Rcrazy1

 本筋からはちょっと寄り道。前回の記事で、ボードゲーム「立体クレイジークライマー」に反響があったため、押し入れからひっぱり出して詳しく紹介することにした。

続きを読む »

2014年5月 6日 (火)

「聖靴学園の七不思議」の研究レポート

Nanafusigi メアリー・コクランがことのほか可愛くてイベントが捗りますわ。

 4月のライブで2周年記念も一段落したモパゲーのアイドルマスター。ゲーム内の期間限定イベントも、数種類のシステムを順番に回しており、同じことの繰り返しという印象が強くなってきました。そろそろ辞めるか、という雰囲気を察したのか、運営が本気を出し始めました。

続きを読む »

2014年5月 4日 (日)

「龍が如く 維新!」その4 いじわる一さん日記

 ちょっとそこの旦那。斉藤一の奴、ありゃとんだ食わせ者ですぜ。この界隈で人助けをしたり、ならず者を懲らしめたりで、すっかり評判も上がってるようですが、騙されちゃいけやせん。

●巫女さん

Ryuisin04 神社に巫女さんがいるでしょう。ちょっとかわいいからって、鼻の下を伸ばして話ししてやがりました! もっと許せないのは、昔会ったのを完全に忘れていることです。「龍が如く5」の遥編でダンス友達だったらしいですぜ。

●はらぺこ力士
 一の奴、空腹で力が出せない力士に食べ物を恵んでましたぜ。いい行いじゃないかって? とんでもない! 恵んだのはおにぎり一個、しかもそれ、くじ引きのハズレ景品ですぜ。

●汚れた猫
 銭湯に猫を連れてきやがりました。迷惑です! しかも猫がピカピカになるなんて、何か怪しい薬でも使ったんじゃないでしょうか。虐待です!

●大食い五郎
 一の奴、魚や野菜や料理の行商をしていますぜ。五郎からの注文は、いつも「料理○品」と大ざっぱ。だからといって、浅漬けきゅうりばかり送り続けるのは極悪じゃあありやせんか? 遥ちゃんに、重い商品を背負わせるのもひでえです。

●待ち続ける犬
 飼い主を待ち続ける犬に、餌をやってましたぜ。優しいじゃないかって? 町のどこかの壺から拾ってきた得体のしれないお菓子でしたぜ。犬がなついたので引き取ったようですが、ありゃきっと虐待してますぜ。

●野菜大好き少年
 野菜が食べたい子供に、食べさせてあげてましたぜ。今度こそ善行じゃないかって? いやいや。一の野郎、とうがらしをあげてました。子供が走り去ったところを見ると、大変なことになったにちげえねえです。

 とにかく奴は信用できやせん。新撰組の三番隊を任されていて、隊士を集めているらしいですが、おかしな奴ばかりです。極秘任務だか何だかわかりやせんが、きっと裏があるに違いありやせん。

2014年5月 3日 (土)

世界の果ての通学路

 フランスのドキュメンタリー映画。小学生が学校へ行く。ただそれだけで、子供は偉い、と感心してしまいます。
 登場するのは、世界中から選ばれた、困難な通学をしている子供たち。ケニアの子は、象に襲われないように気を付け、アフリカのサバンナを走ります。アルゼンチンの子は、山や平原を馬で駆け抜けます。モロッコの子は、同行の友達が足を痛めてしまったのでヒッチハイク。インドの子は、手作りの車いすで弟たちに運んでもらっての登校です。
 本当に登校する様子を見せるだけ。その日、学校に着いたら映画は終わってしまい、驚きました。よくあるドキュメンタリーのように、取材者が出演してやりとりをしたり、解説ナレーションが流れたり、視聴者に何かを訴えたり、という作為が全くありません。音楽さえあまり流れません。子供たちの行動がすべてを物語っており、そんな演出は不要、ということなのでしょう。
 子供たちは、ただひたむきに、学校へ向かいます。自分の目標のためだけではありません。親の世代は学校へ行けておらず、彼らに夢を託しているのです。通学中も、兄弟や友達を守り、助け合うその姿には、大人顔負けの責任感があります。ケニアの子は、この日、国旗掲揚の当番でした。その表情は誇りに満ちています。教職は聖職であり、学校は聖地である。この映画の中では、それを実感します。
 なぜ私は、成人近い学生たちに、欠席しないように言うのが日課なのでしょうか?

 ゴールデンウィークを控えたこの日、映画館には子供連れのお客さんがたくさんいました。こんな映画なので、子供が退屈してしまうのではないか、と心配したのですが、誰も騒がず、静かに見入っていたようです。真剣な子供の気持ちは、子供の観客にも伝わるものなのですね。やっぱり子供は偉いです。

作為性 1
喜劇性 6
将来性 10
個人的総合 6

おまけ
来日トークイベント:ケニアの少年、日本に来てた!
「世界の果ての通学路」(映画)を見て教育についてつらつら考える:鋭い視点
世界の果ての通学路:詳細なネタバレ感想

最近のトラックバック

アクセスランキング