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2016年6月12日 (日)

ズートピア

 予告編等から、これはさすがに子供向けだからパス、と思っていたのだが、

忍之閻魔帳 琥珀色の戯言 島国大和のド畜生

ネットでの評判が良いので前言撤回して観に行った。このブログは定期的にディズニー映画を観ては満点をつけるルーチンに陥っているが、実際良く出来ているのだから仕方がない。

注意:以下にネタバレを含む

●お芝居
 動物たちが進化し、人間不在の文明社会を築いているという世界観。冒頭、子供たちがお芝居でそれを説明してくれる。このお芝居がクライマックスに生きるシナリオ構造が見事だ。
 一方で、やっぱりお子様向け映画かな、という心配も生まれるが、直後の場面で解消される。善良な両親が夢を捨てることを薦めるシーンだ。このメッセージが響くのは親の世代であり、映画が現実の人間に向き合おうとしていることを強く印象付ける。

●警察学校
 ジュディは警察学校での厳しい訓練を経て、ウサギ初の警官になる。これだけでも映画になりそうなネタを一瞬で終わらせる。トイレでおぼれるシーンは、単なるギャグではなく、後にピンチになった時に生かされる。

●ズートピア
 ジュディは任地であるズートピアへ。列車では俯瞰で地域の全容を見せ、降りてからはジュディの目線で街を見せる。圧巻の映像である。

 過去の動物アニメ、例えばミッキーマウスでは、ネズミでもアヒルや犬と大きさが変わらない。ところが、ズートピアでは、動物たちは直立こそしているものの、そのスケールは現実と同じになっており、ネズミはネズミの、ゾウはゾウの大きさに合わせた設備を使って暮らしを営んでいる。それを見せられる驚きと面白さがある。
 冒頭のジュディの村では、ウサギとキツネぐらいしかおらず、スケール差のある動物が出てこない。警察学校ではデカブツが出てくるが、訓練以外のシーンがない。うまく情報が伏せられているため、初めて都会に来たジュディの驚きを観客が共有できるわけだ。

●大騒動
 ジュディは交通係に任ぜられる。学校を優秀な成績で出ても、社会では新人で相手にされない。子供に見せるにはあまりにクソリアルな光景だ。
 ジュディは勝手に泥棒を追って、大騒動を起こしてしまう。ここで助けたネズミがMr.ビッグとの場面で生きてくるわけだが、一方で、盗まれた品が最後の解決への伏線となっている。このように、この映画では一つの場面が複数の役目を担っていることが多く、油断がならない。

●フラッシュ
 ナマケモノの登場シーンは抱腹絶倒。他の映画で経験したことのないギャグだ。ありとあらゆる場面が計算づくで配置されている印象のあるこの映画において、スタッフのこだわりにより、バランスの崩れた部分と言える。だが、これがあるからこそ本作に満点を入れる。

●キャラ作り
 ライオンが市長というイメージ通りの配役が実はミスリードであり、捜査の過程で肉食動物が少数派で忌避される存在となる、という意外性。誰もが持つ動物のイメージを、偏見の比喩として鮮やかに操る。従順のイメージが最も強い羊がこんな風になるとは面白い。

●エンドロール
 エンドロールはガゼルのライブ。観客としてすべてのキャラが再登場する。ガゼルのバックダンサーのトラたちが、半裸の超兄貴たちに見えて仕方なかった。私もすっかりズートピア脳になったということか。

映像美 10
シナリオ 10
フラッシュ 10
個人的総合 10

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