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2016年6月 7日 (火)

同志ユーリ・デレステノフの手記 その2「The Tomorrow Children」オープンβテスト

Tcb04 ユーリは大きな街に着いた。
 見たこともない設備が立ち並んでいる。一つ一つ面白い形をしているのを、ユーリは興味深く観察した。資材置き場で、果樹園で、同志が忙しく働いていた。人類もかなり復活しており、子供や老人があちらこちらでおしゃべりしていた。活気のある街に、ユーリは圧倒された。

 すると突然、放送機がイズベルクの接近を告げた。轟音がとどろき、ユーリは耳を塞いだ。この街には砲台があり、同志たちがイズベルクを迎撃しているのだった。

Tcb05 その光景の美しさに、ユーリの胸は愛国心でいっぱいになった。だが、栄えている街では、ユーリが少し働いたところで、影響らしい影響は全く感じることができなかった。ユーリはあまりに無力だった。

 翌朝、街は異様に静かだった。同志がほとんど見当たらない。いつも行列のできる作業台もあいている。ユーリは初めて施設作りを楽しんだ。
 その時、イズベルクの襲撃が始まった。同志が少ない今、ユーリは自ら街を守らねばならない。相変わらず免許はなかったが、砲台を使うのに許可は要らない。ユーリは勇んで砲台に飛び乗った。ところが弾がない。メタルの資源が枯渇して弾が切れていた。
 イズベルクは街を踏みしだいて去った。せめて破壊された施設を修理しようとしたが、今度は木材が足りなかった。街は重要な施設を次々に失った。街の一角にあった果樹園は、修理のための木材としてすべて切り倒された。すると今度は食料がなくなり、人類が減り始めた。ついには停電となり、ユーリは人力発電機を回さなければならなかった。今や、同志を欠いたこの街はゆるやかに滅びつつあった。

Tcb06

 ユーリはあきらめず、身を粉にして働いた。発電し、島へ渡って採掘し、街へ戻っては木を植えた。それがどれだけ効果があったのかはわからない。そもそも、労働を評価してくれる施設すらも破壊され、機能を失っていた。しかし評価なんてどうでも良かった。ユーリは今こそ、大きなやりがいを感じていたのだ。

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