手塚治虫 変容と異形 Feed

2016年10月29日 (土)

花沢健吾「アイアムアヒーロー」21巻

Iama21

 映画公開にタイミングを合わせた20巻に続いて、21巻はブルーレイ&DVDの発売に合わせた。そのせいでまたもや薄い。ここまでやって売らないといけないもんかねえ。

 英雄が比呂美を助けようと奔走するが、比呂美のほうがネガティブ全開でなんだか怪しいことになってきた。
 恨みがましいヒロインが、主人公もろとも世界を破滅させにかかるという展開は、花沢のデビュー作「ルサンチマン」とも共通する。ゾンビもの、というメジャーな題材を装いながら、クライマックスに来て花沢本来の主題に回帰しようというのだろうか。

 近くで戦っているのに、いまだ鈴木英雄と中田コロリが再会しない。出会ったところで、ZQNを忘れて、二人でマンガを描き始めるというのがオチではあるまいな(笑)

2016年10月18日 (火)

「銃夢火星戦記」3巻

 お、1年ぶりに新刊出たのか、と手に取ってみたら、いつの間にか3巻。2巻が出ていたことに気が付いていなかったとは完全にファン失格である。

Gunmu3

 さて、「銃夢」にとって大事なキャラクターは、ガリィでもエーリカでもない。悪役だ。
 「銃夢」の面白さはひとえに悪役のデキにかかっており、無印時代のマカクやザパンは最高であった。「Last Order」が面白くなかった理由もムバディの不出来によるところが大きいと私は見ている。
 その流れで言うと、今回初登場となったムスターは、なかなか期待値の高い悪役と言えそうだ。全身に人面瘡をまとっている怪人だが、この病気が出てきたということは、ゲーム版銃夢の結末に使われている人面瘡設定が、実は踏襲されているということなのだろうか。色んな意味で目を離せない展開となってきた。

2016年8月24日 (水)

「アトム時空の果て」にもの申す

Makuake:アトム時空の果て

 こんなもの発表されて黙っていられるか。「アトム時空の果て」は、手塚治虫作品のキャラを使ったカードバトルゲーム。主に海外に向けて開発中で、KickstarterとMakuakeでクラウドファンディングが開始されている。

Sabrota

 手塚キャラといっても原作そのままというわけではなく、奥浩哉をはじめとする多数のクリエーターが、デザインをリファインする。方向性としては、マンガの「PLUTO」や「ATOM THE BEGINING」に近い感じか。
 右のキャラを見て、百鬼丸がこんなふうになるのか、と驚いている素人どもが後を絶たないが、これ、「どろろ」なのは間違いないけれど賽の目の三郎太だからね。原作読んだらあまりにもどうでもいいキャラなんで驚くけど。
 どういうわけか、須田剛一や松山洋といったゲーム会社の社長までもがイラストを担当している。描く暇あるのか、クオリティはどうなのか、心配になる。

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2016年7月12日 (火)

アサイ「木根さんの一人でキネマ」2巻

Kinesan2

 映画ファンのあるあるネタで、抜群の面白さだったあのマンガの新刊が出た。
 2巻の印象は、おお、攻めるねえ、という感じ。1巻で木根さんというキャラが確立しているので、その独断で次々に映画レビューでもやっていれば、わりと安直にエピソードを量産できそうなものだが、アサイ先生はそうしない。
 木根さんがジブリ映画を観ない、という話では隅々にジブリネタを散りばめて逆に見識の深さを見せる。あるいは、最後の見開きまで全ページをネタ振りに費やした大胆な構成の話。そうかと思えば、映画ファンなら誰もが通る黒歴史を容赦なく掘り下げた挿話。そして時には、題材となる映画と、絶妙なシンクロを見せる展開の話。
 手を変え品を変えて工夫を凝らしており、木根さんの日常に何一つ進展がないにもかかわらず飽きさせないのが素晴らしい。まだ残っている切り口はあるのだろうか? 3巻以降も要注目である。

2016年7月 1日 (金)

「甲鉄城のカバネリ」最終回 甲鉄城

Kabaneri1201 みんなで田んぼを作ってお米を食べる明日へ。日本人のDNAに訴えかける言霊、ずるい。

 前回の終わりの時点では、これもう生駒も無名も死ぬしかないんじゃね? という感じだったが、いい方に裏切られた。日ノ本をカバネから救うきっかけが何一つ得られず不満という意見も聞くが、ゾンビ映画を観慣れた者なら、これこそが王道の結末であり、ゾンビを駆逐する作品の方に圧倒的に駄作が多いことはご存知かと思う。
 この余韻を生かして、その後を舞台にした同人など存分に展開するがよろしい。(他人任せ)

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2016年6月 6日 (月)

「甲鉄城のカバネリ」第八話 黙す狩人

Kabaneri08 左は美馬様。右はアッシュ様

 第八話は、「カバネリ」が1クールしかないことの制約がもろに出た。日ノ本をカバネから救う〈解放者〉として、民衆から絶大な支持を受ける美馬。こいつは怪しい→いや実はいい人かも→やっぱり敵だ、という展開をこの回だけでやるのは、いくらなんでもめまぐるし過ぎる。もっとゆっくり何話かかけて明かしてゆけば、キャラも深まり興味も引き続けられるのにもったいない。
 狩方衆の戦闘は、蒸気バイクあり、カバネリのコンビネーションありで、外連味に溢れて楽しい。もう一度くらい見る機会があるだろうか。

 さて、美馬様の登場以来、外野がテイルズテイルズうるさいのなんの。調べてみたら、びっくりするほどテイルズだった。世界観違うのになんだろうこの一致ぶり。

2016年5月 8日 (日)

「甲鉄城のカバネリ」第四話 流る血潮

Kabaneri04 左はカバネリ、右はカバネラ

 第四話は、カバネとの戦いの中で、主要なキャラクターが団結していく。ワザトリというカバネの上位種のような敵が現れたが、今後も要所でボス敵が出てくるのだろうと予想される。各キャラに見せ場も用意され、早くも最終回かという盛り上がり。
 無名も生駒も、これまでは自分たちだけでカバネと戦わねばならなかったが、これからは仲間との熱い共闘が見られそうで楽しみだ。

 さて、今回は、車上の戦いで、無名が華麗な空中連続技を見せてくれた。相変わらずTVアニメとは思えない水準の動きっぷりだが、カバネラもまたあきれるほど動くキャラなので、見てやってほしい。

2016年5月 6日 (金)

三部けい「僕だけがいない街」8巻

 映画を観たので、あとはマンガ。果たしてどんな結末か?

Bokudake

 悟と犯人の最後の対決は、どこか懐かしいものだった。例えば、ホームズに対するモリアーティー教授。明智小五郎と怪人二十面相。宿敵というのは同時に最高の理解者となる。数々の古典をふまえているからこそ、納得のいく話に見えるのだろう。この緊迫感、映画でもぜひ観たかった! 最後に近づくほど、ここまでの話をまとめようとしてか説教臭くなるのはご愛敬。
 また、巻末には、映画やアニメの裏話となる後書きマンガがついており、ちょっとお得感あり。

 さて、最終話で、悟の小学生時代の作文が出てくる。「ワンダーガイ」というヒーローに憧れ、それがマンガ家を目指すきっかけになっていることがわかる。この「ワンダーガイ」、映画のパンフレットに収録されていて読むことができるのだが、なんと映画では、悟が描いてヒットさせたマンガということになっているのだ。時間遡行ものだけに、色々パラレルになっているということだろうか。

 本編はきれいに完結したが、この後外伝が描かれるのだとか。蛇足にならないことを祈りつつ待ちたい。

2016年4月29日 (金)

「甲鉄城のカバネリ」第二話 明けぬ夜

Kabaneri02 左はカバネリ、右はラブネリ

 第二話は、無名が正体を明かしたところで幕。展開早いな! 当分引っ張ると思ったのに。恐怖を前面に出した第一話から、アクション活劇にシフトした印象。カバネもゾンビのようにもたもたせず、ハイクオリティな絵がスピード感をもって動くのが素晴らしい。
 ファンの間で、「カバネリ」は漢字だとどう書くのかが、話題になっていた。ある説は、「舎人」「一人」という読みがあるので「屍人」。カバネの人という意味になる。また別の説は、ウイルスに感染という設定があることから、「罹患」からとって「屍罹」と推測。これだとカバネ病に罹った人という意味になり、これもまたしっくりくる。実際は、単に勢いと語呂で選んだネーミングかもしれないが、こういう考察は楽しい。

 ちなみに、気になっている人がいるかもしれないので言っておくと、ラブネリは「ラブな練りもの」の略。ここテストに出ます。

2016年4月20日 (水)

花沢健吾「アイアムアヒーロー」20巻

Iama20

 実写映画公開を目前に控え、小学館が前例のない作戦にうって出た。わずか一か月で新刊の発売である。
 なるほど、映画に合わせて最終巻を出して盛り上げるのか、と思い込んでいたら間違いで、ストーリーはまだまだ途中。きりが悪いのか原稿のストックがないのか、20巻はいつもより薄くなっていて見栄えが悪い。強引に発刊タイミングをずらす必要はあったのだろうか。
 さらに、小説だの外伝だの派生作品がやたら出版されていて、それらの体裁が似ていて紛らわしい。もともと「アイアムアヒーロー」は、表紙に統一感がないマンガなので、たちが悪い。

 物語は、いよいよ鈴木英雄と中田コロリが再会しようかという展開へ。ZQNを忘れて、二人でマンガを描き始めたらどうしよう(笑)

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